近年の競走馬のスピード能力は、血統や育成技術の向上にともない、総体的に大きく底上げされています。
そのため、細かくクラス分けされた日本のレース体系においては、出走馬間で極端な能力差が生じることは稀になりました。
つまり、レース結果を左右する要因に占める能力の割合が、著しく低下しているのです。
にもかかわらず人気を集めるのは依然として、能力の表れと信じられている着順やスピード指数の優秀な馬。
「直近好走した人気馬の凡走」「直近凡走した人気薄馬の好走」が毎日のように起きているのも、当然と言えば当然でしょう。
こうした現状に一石を投じるべく生み出された「メンタルステップ(MS)理論」は、従来の競馬予想の概念を根本的に覆しました。
そして、その正当性は「万馬券ファクトリー」の数えきれないほどの高配当的中によって実証されています。
WEB版「万馬券ファクトリー」を公開したのは、2004年8月。以来、300万馬券を筆頭に、数限りない万馬券をゲットしてきました。
昨年(2007年)は、22本の10万超馬券を含め、なんと552本の万馬券を的中しています。そして、この威力をさらに高めたのが「万馬券ファクトリーV2」なのです。
これまでのDC値とCC値は、臨戦過程のパターンに割り振られた数値でしたが、
V2では、新DC値・新CC値は、一新された下記ステップファクターに、距離変動適性とコース適性も加味して算出されるため、出走各馬固有の数値になりました。
これにより、ひと目で相対比較が行えるようになり、データ表の使いやすさが増しました。
距離変動 |
これまでは実距離に関係なく「短縮」「同距離」「延長」の3パターンだけでしたが、
芝・ダートそれぞれ距離を4カテゴリーに分け、さらに障害を加えて、81パターンに細分化。
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前走着順 |
これは逆に、これまでのパターン数が多すぎたとみて、5カテゴリーから3カテゴリーに縮小。
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コース |
これまでは同一とみなしていた、同競馬場同距離の内回りと外回りを別カテゴリーに。
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4角位置 |
5番手以下を「5〜8番手」と「9番手以降」に分け、3カテゴリーから4カテゴリーに。
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クラス変動 |
前走から今走が「昇級」「同級」「降級」のいずれであるかというファクターを新たに導入。
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DC値とCC値を補完する指標として新たに開発されたのが、以下の3つの数値です。これらの活用によって、より実戦的な予想が行えます。
GB(Gate Bias)値 |
当該コースの枠(1〜8)ごとの3着内率を、出走頭数と前走4角位置によってパターン化し、その複勝期待値を数値化したもの。
「前走4角○番手だった馬が、このコースで○枠に入った場合、複勝の期待値はこのくらい」ということを示す。
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BB(Blood Bias)値 |
出走各馬の父と母父の、当該コースにおける複勝期待値を統合・数値化したもの。
「この配合の馬は当該コースにおいて、複勝の期待値はこのくらい」ということを示す。
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EP(Expectation)値 |
理論の基幹をなすDC値とCC値の複勝期待値を統合・数値化したもの。
出走各馬の当該レースにおける妙味を端的に表す。
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MS理論による予想は、MSデータ表をもとに行ないます。基本的には、DC値とCC値が高い馬を重視すれば問題ありません。
GB値、BB値、EP値を加味して軸を決めるか、軸が決まらなければボックス系に構えます。
しかしここまできたらあと一歩理論を押し進め、「自動的に買い目が算出されるロジック」を開発できないものか。
この思いつきから先は、まさにイバラの道でした。最大の難関は、レースのパターン化。
いかなる予想理論でも、たった一種類の買い目であらゆるレースを当てまくることは不可能と言っていいでしょう。
このパターンのレースはこの買い目、というアプローチをしない限り、的中率も回収率も決して上がらないのです。
試行錯誤の末、すべてのレースをまず芝とダートに、次に芝・ダートそれぞれ複数の距離カテゴリーに、さらに各距離カテゴリーを複数の頭数カテゴリーに区分。
そうしてJRA全平地レースのパターン化が完了したら、今度はパターンごとに[DC値順位とCC値順位の組み合わせ]の的中率と回収率をシミュレート。
成績優秀な組み合わせをピックアップして、パターンごとに買い目を構築していきました。
こうして算出された買い目を機械的に買うもよし、それを参考にして独自の買い目をひねり出すもよし。
いずれにせよ、全く新しい競馬の世界が広がるMSデータ表には、無限の可能性が詰まっています。